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ビタミンDで結核菌への免疫機能が増強 [ビタミンD]

 英・インペリアルカレッジ内科特別研究員のAdrian Martineau博士らは,ビタミンDの単回投与が結核菌に対する免疫機能を増強し、潜在状態にしておくのに有効であると、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(2007; 176: 208-213)に発表した。これはビタミンD投与が結核菌への免疫機能増強に効果があることを示す初めての研究である。


<毎年8,000人ずつ増加>
 今回の研究は,ロンドンで結核の既往歴を持つ健康成人192例を対象に行われた。そのうち90%がビタミンD欠乏であった。
 被験者は2.5mg[Catsduke注:2.5 mg=2500 µg=10万IU]のビタミンDかプラセボのいずれかをランダム化投与された。Martineau博士らは「英国では10月から4月までビタミンDの主要供給源である太陽光への曝露量が、ビタミンDを適量生成するには不十分である」と述べている。

 血液サンプルを採取し、全血の機能をBCG-luxで測定した。ルミネセンスが少ないことは結核菌の増殖が少ないことを意味し、ビタミンD群は感染後と試験開始前のルミネセンス比の平均値が0.57で、プラセボ群の0.71(P=0.03)よりも有意に良好であった。

 また2回目の血液サンプルにより、ビタミンD投与は免疫機能を増強する抗原刺激されたIFN-γの分泌に干渉しないことがわかった。同博士らは「ビタミンDサプリメントが潜在性結核の再活性化を防ぐか否かを確認するには1万人の被験者が必要である。しかし、そのような大規模研究を行うのは困難なことから、今回の研究は次善のエビデンスを提供している」と述べている。

 同博士は現在、英国で多施設第III相ランダム化二重盲検試験(NCT 00419068)を行い、高用量ビタミンDと抗菌薬の併用による安全性と有効性の確認と、実際に治療への反応を高めるかについて研究を行っている。この研究には07年1月現在、146例が登録されている。

 英保健保護局によると、結核の発症は大都市を中心に毎年8,000人ずつ増加しており、ロンドンの発症者はその40%を占めている。


【コメント】
 私は高校時代に肺浸潤になりました。非開放性だったため、抗生物質の服用だけで日常生活を送れました。当時、知人の医師から専門雑誌の結核特集号を借りて読み、自らの尻部の腫れ物が結核性の痔瘻ではないかと直感しましたが、外科では一笑され、カテーテルを入れられ、侵襲的な治療を強行されました。青年期にナースの前で伏臥位とはいえ、尻を捲らねばならないというのも大変侵襲的でした(笑)。
 国立療養所附属病院でX線断層撮影を受け、診断がつき、抗生物質の服用が始まると即座に症状が消失しました。当然ですが外科医が漫然と出していたペニシリン系の抗生剤など効く訳も無かったのです。私は、素人ながら勉強し、その結果、自分の診断が正しかったという経験をしたこの時から、権威は鵜呑みにしない、医者を始めとする専門家の専門性や知識の怪しさに疑いを持つようになりました。現在、医療を相対化する医療社会学を研究するようになった基礎的な体験でした。
 服用自体は法律通りの期間は続きましたが、咳を初めとする症状はあっという間に収まり、快癒しました。ただ、カテーテルを入れられ「筋肉にトンネルを開けられた」部位は、今でも後遺症を持っています。重度な方がいらっしゃるので、こういうのも憚れますが、一応、医療過誤の被害者な訳です。

 さて、それ以降、結核に関する文献は、世の一般医師が身近に経験しなくなってどんどん無知になっていく流れに反して、必ず目に通すようになっていきました。しかし、抗生物質の発明前に「労咳」=結核を治し得たのは、体力を消耗しないように工夫しながら「日光浴」を続けた者だけだった、という話がありました。

 そのことは、この記事のビタミンDと免疫との関わりから、全く生化学的・免疫学的に根拠が在ったのだ、と明らかになりました。やはり民間療法、それも自身の免疫力強化によって感染症に対処するという古人の智慧、経験の積み重ねの正しさが実証された訳です。

 なお、ビタミンDに関しては、以下の専門書・一般書を参考にしてください。

岡野登志夫『ビタミンDと疾患ー基礎と臨床からの考察』 医薬ジャーナル社(2000)


中村・松本・加藤『骨代謝と活性型ビタミンD』ライフ・サイエンス出版(2006)


平柳 要『がん予防に実は「日光浴」が有効なわけービタミンDの驚きの効力』講談社+α新書(2008)


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